国分蓮

凶悪の国分蓮のネタバレレビュー・内容・結末

凶悪(2013年製作の映画)
5.0

このレビューはネタバレを含みます

犯罪者からキリスト教に改宗して聖人になっていくピエール瀧と事件に引き込まれてだんだんと「凶悪」になっていく山田孝之の対比が恐ろしい。
ピエール瀧の凄みやリリーフランキーの詐欺師っぷりも眼を見張るものがあるが、一番おさまりがつかなくなるのは山田孝之なのかもしれない。
また、この役で山田孝之は作中で7つの人格を自分で練り上げて演じたという。今がどの段階の山田孝之か考えてみるのも面白い。

映画自体はサスペンスながらもどこかシニカルなところがあり、焼却炉で死体を燃やすシーンから一点、楽しげなクリスマスのBGMの中、焼き上げられた七面鳥(人肉ではないと信じたい)を犯罪者家族みんなで食べるシーンは鳥肌が立つくらいおぞましい。
なんてことはないシーンだが殺しが日常茶飯事化しているという上ではとても重要な場面だ。

この映画で知ったことは、「ぶっこむ」イコール「殺す」ということです。先生もまた、須藤に対して少なからず畏怖の念を感じ得ていたのはクリスマスでお金を渡すシーンからもわかります。「ぶっこ」んでくれた礼とは?先生でさえ須藤用語を使うのであれば、この時点で須藤に多大な信頼を寄せていたことになります。

自分が一番怖いなと思ったシーンが、ピエールと山田の面会のシーン。
ピエール「あ、これ先生関係ねーや。笑」
山田「笑」

この山田の「笑」こそこの映画の「凶悪」たる所以です。
シマガミという爺さんを埋める残虐なシーンと、ラスト直前、山田の面会室から引いていくシーンのBGMが一緒です。これも何が意図があるとすればそういうことなんでしょう。

ぜひこの映画は二回見てください。観るのに耐えられなくても、二回は観るべきです。そういう構成になってます。