Smoky

凶悪のSmokyのレビュー・感想・評価

凶悪(2013年製作の映画)
3.6
まず思い浮かんだのが、カポーティの『冷血』。犯罪の加害者だけでなく、それを手引きしたのが被害者の家族であるという闇。それを追求するジャーナリズムも、社会正義の美名を借りた部数追求と自己陶酔のために周囲の人間の平穏を踏みにじっていく闇。凄惨な犯罪行為の後にされる家族の団欒、老人介護施設を舞台にした犯罪を取材する記者は、自身の母親を介護施設へ入れる問題を(取材の忙しさを理由に)先延ばしにする…。似たような事件が起きたばかりで、犯人は娘夫婦だった。善悪の境界線は驚くほど曖昧で、その闇は誰の側にもあることが分かる作品。
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