フラハティ

凶悪のフラハティのレビュー・感想・評価

凶悪(2013年製作の映画)
3.3
やっぱこの手の映画苦手。
映画としては面白いんだけど!


実際にあった事件を映画化。
まるで犯罪小説のような出来事だが、これ本当なんだね。
怖すぎ。
ホラー映画でも全然平気な自分だけど、こういう映画ほんと苦手。
こっちのほうが日常にいつ入り込んでくるかわからないから。


残虐に繰り返される行為。
冒頭からそのシーンの連続なんだけど、事件の概要が見え始めると、ただ単にいたぶってるわけじゃなくて理由があった。
まあ理由があるだけね。
正当性とかはまるでどうでもよくて、そうならざるを得ない状況であるってことだけ。
人の命を金に生まれ変わらせる。
人の命ってなんだろうな。
彼らにしてみれば、自分が良ければいいんだしね。
そう考えると須藤がまだ人間味があるように見えてしまう。これは錯覚なんだけどさ。

題材というか、社会問題な要素として実際の事件から高齢化問題などと関連付けさせる。
残忍な保険金目的の殺害などと、主人公の家庭での環境といった日本の問題を絡め、綺麗事ばかりではやっていけない人間の本質を問題提起としているんだろうね。


「この事件を伝えることで、亡くなった命が報われるんだ!」
「死んだ人たちなんてどうでもいい。あたしは生きてるんだよ?」
観客だって、この事件の真相を知ったところで何か変わる訳じゃない。

刑罰とか法律って、罪を犯した人間を裁くためなんだけど、何のためにあるのかわからなくなるときもある。
だって犯人が改心しようがしまいが、実際に起きた出来事は変わらないんだから。

面会するシーンでも分かるけど、正常と異常って一枚の板で区切られてるようなもんだよね。
向こうの世界と、こっちの世界はそれほど近くにある。
何かの弾みで板が割れて、こっちの世界に流れ込んできたり、流れていってしまう。
なんかこういう危ういバランスの世界であるってことも狂気な感じする。
行方不明になった人の何%が、意図的に行方不明にされたんだろうね。


狂気ってのは、誰にでも生まれる感情の一部。
事件の加害者や時々被害者は、まあそういう界隈の人やから当然。
事件を追う記者だって、狂気が芽生え始める瞬間があったし、実際芽生えてるんだよなぁ。


銃社会なら弱者でも、強者の命を奪うことはできる。
でもこうやって暴力の争いになると、生々しくてやっぱ嫌だなぁ。
人が殴られるところは、作り物だって分かってても嫌。
あぁ、怖い怖い。
とりあえず借金しないような大人になります。