『おい!じじい!おまえにはもったいないけどな、とっておきの味付けしてやるよ。』
邦画でかなり観たいなと思っていた作品が2つあって。
・凶悪
・日本で一番悪い奴ら
どちらも白石監督の作品という以外に共通点があり
みんなも既にお察しだと思うけど
今後、観れなくなってしまうことを懸念して
急遽2本とも最優先で鑑賞することに。
「凶悪 -ある死刑囚の告発-」という実在の事件小説が原作の映画。
よく比較される作品として「冷たい熱帯魚」があげられるけど
実際の事件を元にした映画という意味では同じだが
イカレ具合が違うベクトルだった。
「冷たい熱帯魚」は、本当に異常者って感じだけど
「凶悪」は、実際の殺人現場ってこんな感じなんだろうなっていうリアルさがすごかった。
余罪を告発した死刑囚の須藤純次(ピエール瀧)は
情に熱いけどリミッターがぶっ壊れている系の犯罪者で
必要なら殺人でもなんでもするタイプ。
ヤクザとかに多そうなイメージ。
白い粉を扱うシーンがあって
めっちゃタイムリーやなって思った。
須藤以上にやばいのが、木村孝雄(リリー・フランキー)。
意外と普通そうな人が
笑いながら人をいたぶるシーンは、寒気がする。
罪の意識がないぶん、より凶悪な印象を受ける。
そして、個人的にこちらもやばいと思ったのが
記者の藤井修一(山田孝之)。
取材を始めた事件に対しては体当たりなのに
自分の周りの人や家族には向き合おうとしない。
そして、見えているものに対して蓋をして
事件にのめり込んでいく。
藤井は、奥さんの心の悲鳴を無視し続けて
無視という暴力で奥さんを殴り続けている。
そして、質が悪いことに
藤井自身は、それが正義の行いの代償だと思ってること。
もっと前になにかできたんじゃないのかなと思ってしまう。