ゴーペガ

凶悪のゴーペガのレビュー・感想・評価

凶悪(2013年製作の映画)
3.8
「日本で一番悪い奴ら」の白石和彌監督作。1999年に実際に起きた凶悪犯罪事件を基に、脚色を加えた作品です。冒頭から筆舌に尽くしがたい「凶悪」犯罪。看板に偽り無しです。昨今、ワイドショーを賑わしているピエール瀧を始め、山田孝之、リリー・フランキーの演技合戦も見もの。ピエール瀧は「ホンマもん」の悪党にしか見えませんが、この頃から麻薬をやってたんでしょうね。演技と素の境い目とはなんぞや、と思ってしまいました。リリー・フランキーも一見普通の人やのに「狂っている」。人間の闇を描いた本作ですが、雑誌記者の山田孝之も闇を抱えている。どんどんと深みにはまっていく姿がリアルです。闇といえば、凶悪事件を扱ったニュースやワイドショー。それらを興味本意で見てしまう私たちも、内に闇を抱えている存在に他なりません。羊たちの沈黙での、レクター博士とクラリスを彷彿とさせる、リリー・フランキーと山田孝之の関係は、私たちに心の中にある闇の深さを突きつけるのです。
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