エアール

ノー・ワン・リヴズのエアールのレビュー・感想・評価

ノー・ワン・リヴズ(2012年製作の映画)
3.7
これを愛だと感じられる方
おめでとうございます。
どうやら特殊な感覚をお持ちの方のようです 笑

さて 誰も生き残れない…
ってなわけで
北村龍平監督がミッドナイト・ミート・トレインに続き監督を務めまして
ハリウッド進出作2作目にあたる本作。
狂気の愛 ゆえに
圧巻の殺戮パフォーマンスを披露してくれるのは、名もなきクールドライバーことルーク・エヴァンス!!
言わずもがなカッコいいですよ〜

他のキャストについても
アデレイド・クレメンス × ローラ・ラムジー × アメリカ・オリーヴォ × リンゼイ・ショウと
素晴らしい配役かと 笑


それではまず事件について
ーーいつもとなんら変わらぬとある金曜の夜、
オレゴンの大学で起きた悪夢の惨劇。
エマと友人達が開いた学期末を祝うパーティーは血の海と化してしまう
ーーパーティーに参加してた学生ら14人の惨殺、
主催者でもある出版王の娘エマ・ウォードが行方知れずに。

犯人は待ち伏せしていたのか、それとも友人のうちの誰かの仕業か?
多くの犠牲者を出した事件にも関わらず犯人に繋がる手がかりはなく
事件は謎に包まれている。

事件から半年以上経過するも
犯人の足取りはつかめないまま
ーー現場付近にある森の中
とある木の幹の部分に文字が彫られているのを発見
ーー”エマは生きている”

地元警察とFBIは引き続き捜索と捜査を進める。


地元の強盗団一味
ーーリーダーのホーグを中心に、
彼の愛人 タマラ、弟のイーサン、
血の気が多く短気なフリン、
愛娘 アンバーの恋人 デニー。

裕福な家族に狙いを定め
彼らの留守を見計らって
白昼堂々 邸宅に押し入り金品類や貴重品を盗み出そうと
ーーが予定外にも
タイミングが悪いことに家族が帰宅してしまう。
フリンが銃で皆殺しにしたため
すぐさまその場から立ち去り強盗は失敗に終わる。


とある1組の男女
ドライバーの男と彼の愛する人 ベティは引っ越し移動の最中。
モーテルに宿泊、そこの管理人に教えてもらったレストランへ
ーーこのレストランが
ホーグの娘 アンバーがウエートレスとして働いてるレストランで
男女の来店後に
強盗団一味も店に顔を出す。

フリンの軽率な行動により
強盗作戦が失敗に終わりご立腹のホーグ
ーーこの埋め合わせは必ずしろ、と
フリンへキツく言い寄る。


レストランを後にし車を走らせる男女。
そこへ一台のバイクが迫り
男女は奇襲を受けてともに気を失う
ーー襲撃したのはフリンであった。

男女が乗っていた車が高級車であるため
バラして高値で売り捌こうと、
さらには男女を監禁・拷問した上で
銀行の暗証番号を聞きだす手筈に。
簡単な仕事だと思われたが…


ここからが面白いところでして、
盗んだ高級車を確認するフリンら、
するとトランクには隠されたスペースがあることを知る
ーーそこには拘束されてる、生きた女性が…
そう、彼女こそエマ・ウォード。
そして車の所有者であるドライバーこそが地元警察やFBIが血眼になって探してる連続殺人犯なのであります。

一方で
兄 ホーグの指示で男女の拷問担当となるイーサン、
サバイバルナイフを手に男女を監禁してる場所へと向かう。
ドライバーの男から情報を聞き出そうと
女 ベティの首にナイフの刃を突きつけるも予想外の展開に…
ーーベティはドライバーに自身の決心と謝罪の言葉を言い残し
自らナイフの刃に首を突っ込み自殺してしまう。

唖然とするイーサンだが、
この事態を受けてそれまで見せなかった男の本性が露呈し、
抑えきれない衝動が彼を突き動かす。
高い殺人スキルをもつ男をまえに為すすべなくイーサンは殺されてしまい
のちにこの事態を知る兄 ホーグ
ーーもちろん 現場にドライバーの男の姿はなく、
イーサンとベティの死体があるだけ…

エマからの情報でドライバーの正体を知り
弟を殺された仇を取るため
血なまぐさい殺し合いが始まりますが…


ってなわけで
仇を取るためにドライバーの男を始末しようとする強盗団一味、
愛する人を失いそのきっかけを作った強盗団一味を
その命をもって責任を取らせたいドライバー、
ドライバー→強盗団一味へと身柄が移ったエマ
ーー出版王である父親は
娘や誘拐犯に関する有力な情報の提供者には報奨金として200万ドルを支払うとメディアを通して大々的に公表、
強盗団一味がこの話をスルーするわけもなく…。
各々の立場で考えを巡らせて観てみるとより楽しめるのではないかな〜と
思いますね。

やばい相手をその気にさせたら
どうなってしまうのか…
ーードライバーいわく、
俺にだって感情はある。
ただ表現の仕方が変わってるだけで。

1人ずつ殺すようなセコい連中と俺は違う。
俺の殺り方には特徴がある
ーー執念深さ、儀式性、戦利品、
何より仕事を完璧に仕上げる欲望。

そこに良心の呵責はなく、ためらいもない。
役割を終えた人間を確実に仕留めるだけ。
これぞ美学であるし、愛には痛みも伴う…と。
また”彼の作品”とは?


さあ、お楽しみの時間です 笑
エアール

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