嘆きのピエタのまぐのネタバレレビュー・内容・結末

脚本が面白くなりそうなのに、描写の足りなさがそれを活かしきれていない勿体無い作品だと感じました。

一般的な「子を捨てた母、捨てられた子供」像に頼り過ぎており、主人公達への共感が薄くなってしまったのがこの作品に没入できなかった大きな要因かと思います。「捨てられた子供」の苦しみ、ではなく主人公の苦しみをもっと描写しても良かったのでは？
主人公の変化が激し過ぎたりして見えるのはこの辺に原因がありそうです。

逆にこのシーン削ってよくね？というシーンも多数あり、ほとんど劇伴もないのでテンポが悪く、集中して見るのが結構辛いです。

暴力シーン、エロシーンも中途半端で、見せ方次第でもっと痛々しくなりそうなのが勿体無いです。その上、全員が手加減して見えます。

それからカメラワークの下手さはわざとでしょうか？時々ドキュメンタリーか？と思うほど雑なズームが入ったり、ステディカム使ってる？と疑うほど手ブレが気になるシーンがあったり。そもそもズームの使いどきそれであってる？というシーンもあったり。何でもないシーンにズーム入れたりするのも、違和感バリバリで何だかなぁという感じです。

ここまで悪い印象を持って臨んだラストで、それでも展開を面白く感じたのは逆に凄いです。脚本に関して言えば復讐劇としてよく出来てるなあと感じました。ただ物理的に殺すよりも重い魂の殺人。ラストシーンも衝撃的。もう一度、誰かがリメイクしたこの映画を見てみたいです。