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愛のあしあとのakrutmのレビュー・感想・評価

愛のあしあと(2011年製作の映画)
4.0
運命の男性に出会いながらも、自由奔放に他の男性との恋愛を謳歌する女性マドレーヌとその娘ヴェラの人生を、ミュージカル的要素を取り入れながら描いた恋愛映画。60,70年代の若い頃のマドレーヌをリュディヴィーヌ・サニエ、1990,2000年代のマドレーヌをカトリーヌ・ドヌーヴ、その娘ヴェラをカトリーヌ・ドヌーヴの実の娘でもあるキアラ・マストロヤンニがそれぞれ演じるなど、出演者は豪華である。

ストーリーとしては、それほど深みがあるわけではなくやや表層的な感じもするし、舞台がパリ、プラハ、ロンドン、モントリオールと次々と移っていくので、じっくり観ていないと取り残されてしまうが、映像はなかなかお洒落であるとともに、所々で3人の女優たちが歌うシーンが映画の雰囲気にマッチしていて印象的である。個人的に一番印象に残ったのは、若き日のマドレーヌを演じたリュディヴィーヌ・サニエ。まだ保守的な考え方が色濃く残っている時代に、娼婦のように自由奔放に生きる女性を見事に演じきっている。娘のヴェラを演じたキアラ・マストロヤンニも素敵だったが、彼女の醸し出す落ち着いた雰囲気が誠実な女性をイメージさせる部分があり、本映画の役としてはややそぐわない気もした。なお、カトリーヌ・ドヌーヴはそれほど出番が多くない。男性陣では、ヴェラの古くからの恋人でありながら、ヴェラに他の男性に向かれてしまう男性クレマンを演じたルイ・ガレルが印象に残った。
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