Dio

ビフォア・ミッドナイトのDioのレビュー・感想・評価

ビフォア・ミッドナイト(2013年製作の映画)
4.0
ビフォア・サンライズで恋が生まれビフォア・サンセットで成就し、ビフォア・ミッドナイトで円熟(し過ぎて落ちそう)する。
ウィーン、パリと来て今回はギリシャ。
変わったことと言えば、前作までほぼ全てのシーンは歩いて会話する二人の映画だったけども、今回は椅子に座って知り合いと語らうシーンも多く散見される。
二人のやりとりは面白いけども、他の人たちのも面白い。
例えば男女の違いを語らうシーン
「看護師をやっていた母曰く、昏睡状態から目覚めた男女に反応に明らかに違いがあるの、女はまず自分の家族の様子を尋ねるけど、男はまず自分のぺニスを気にするの」
この台詞に帰結するように女は社会性を優先する生き物であるけども男はまず「個」の生き物であると僕も思う。
母として、そして強い「個」として生きようとする女性は時として社会から矛盾を責めるかのように反発をウケることは珍しいことではないし、つまりは社会性を守る存在に対するアンチと見なされてしまうんだろうね。セリーヌも同様に個としての自分と社会性の生き物としての自分に悩みます。

閑話休題
二人は男女の違いを軸に衝突し、終わりを迎えようとする。
でも最後に男は「僕は未来から80歳の君に、男と破局しないように助言するためにこの時代に送り込まれたんだ」と素敵な演技をする。
これだけだと寒いとも言えるかもしれないけど、実はこの台詞は一作目、つまりは恋に落ちた二人が恋に落ちる前に電車を降りて街を歩こうと女を説得する時に男が言った台詞に繋がっているんだ。
「10年後君は誰かと結婚してかつての情熱を失ったときに、昔の男を思い出すかもしれない。そして君はこの時代にタイムスリップして、昔の男と一晩を過ごすんだけど、結局は昔を美化していただけに過ぎないことに気づいて、今の旦那に満足する。今君はそんなシチュエーションにいると想像すれば例え僕と一緒にいることがつまらなくてもokじゃないか」

僕も誰かを口説くときはこのくらい気の聞いたことを言えるようになりたいですね。

一作目で恋に憧れ、二作目でロマンスのチャンスは逃さないことを学び、三作目でやっぱ結婚ってめんどくさ!っと人生を学べたビフォアシリーズでした。

23th DEC 2015