EDDIE

真夏の方程式のEDDIEのレビュー・感想・評価

真夏の方程式(2013年製作の映画)
4.5
ひと夏の自由研究。
すごい博士と出会った。
無邪気にはしゃぐ子どもの僕。
人が死んじゃったみたい。
だけどあれは…

子どもと接すると蕁麻疹が出るほど子ども嫌いの湯川学と好奇心旺盛な小学生の“友情”の物語。
ラストの恭平があることに気づいてしまうシーンは涙なしには見られない。
夏に観たくなる傑作ミステリー映画。

劇場公開当時は映画館で観ました。
原作も大好きで、その世界観を見事実写化してくれた作品です。
同じ劇場版『容疑者Xの献身』と比較されてしまいがちだけど、それぞれ核となる主役が違うと思っています。

『容疑者Xの献身』は堤真一演じる石神哲哉が主役です。彼がいてこその作品だからです。原作含め彼の哀愁が漂います。

一方、本作『真夏の方程式』では元来のガリレオシリーズ主人公の湯川学がしっかりと主役として据えられたエピソードです。
原作やドラマ各エピソードでも湯川が子ども嫌いな描写は何度も挟み込まれます。だけど、本作では珍しく自分から子どもと接するようになります。
湯川曰く「子どもは非論理的な生き物」です。だけど、本作の恭平は子どもの無邪気さを持ちながらも、好奇心旺盛で「なぜ?」を解明したがる科学者的素質の持ち主。だから湯川は放っておけなかったのでしょう。
不思議と蕁麻疹も出ません。

玻璃ヶ浦の美しい海。海底資源の開発計画が立てられ、地元住民は愛する海を破壊されるのではないかと反発します。
その中のリーダー的存在が杏演じる川畑成美。曖昧な答えしか用意しない開発者側の科学者たちに怯むことなく対抗する強い女性です。
杏ちゃんの水着姿が拝める稀有な作品ということもあり、私のお気に入りの一つです(杏ちゃんがどストライクなぐらいタイプなのです)。

さて、それはさておき、湯川と恭平、そして成美の3人が深く関わっていき、作中で起こる変死体の事件が徐々に解き明かされていきます。

最後は明確に何がどうなったのかを言葉では示しません。湯川が成美に説明する程度ですが、そこに至るまで俳優の演技と巧みな編集で魅せ、我々にどういうことなのかを推理させる楽しみを与えてくれる作品です。
謎が解けたとき、どっと涙が溢れてきます。恭平役を演じた山崎光の一生懸命な演技が一層その感情を揺さぶってきます。
何度観てもクライマックスのシーンには泣かされます。

ちなみに刑事で準主役的な存在である岸谷美砂役の吉高由里子はほとんど見せ場がありません。正直いてもいなくてもいいくらいです。
いま製作が表明されている劇場版第三弾に登場するのは彼女ではなく、もともとのヒロインだった内海薫役の柴咲コウ。
吉高由里子は吉高由里子でいいのですが、この作品の扱いを見るに、これでお役御免となったのはちょっぴり可哀想な感じがしますね。
それぞれ様々な事情があると思うので、そんな中でもネットでは降板について憶測が飛び交っていますからね。

少なくとも本作では必要のないキャラでしたが、彼女のせいではなく、確実にキャスティングした側の問題です。

※2021年自宅鑑賞158本目

レビューし忘れていて『13日の金曜日』と前後が逆になりましたが、『13日の金曜日』より先に鑑賞してました。笑
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