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スター・トレック イントゥ・ダークネスのめるのレビュー・感想・評価

4.3

🖖|🖖

こんなに悲しい「長寿と繁栄を」は初めてだった。
カーク船長とスポック…
このふたりの友情は誰よりも熱い。このふたりを引き離すものはなにもない。そう強く感じました。


ザカリー・クイントの感情を抑えられないスポックが素晴らしかった。基本スポックは感情を表に出さないから、スポックが感情を表に出すのは非常に重要なシーンにもかかわらず、なんの違和感もなく見ることができたのは凄かった。
そして、ザカリー・クイントのスポックが不思議なことにレナード・ニモイのスポックと混同して見えた…と言うと失礼かもしれないけど、それくらいザカリー・クイントのスポックがはまり役でびっくりした。

ベネディクト・カンバーバッチのカーンも強烈なインパクトを残していてとても良かった。『宇宙大作戦(ドラマ)』のカーンがあまり印象に残っていなかったせいで、映画を観る前は「カーンってそんなに怖い奴だったっけ?脅威になるような存在か?」と疑ってたのに…甘く見ちゃいけないですね(笑)
カーンは敵でありながら完全には憎めなくて、なかなか深みのあるキャラクターでした。敵なのにちょっと可哀想で同情してしまうくらい。カーク船長の「敵の敵は味方だ」っていうセリフが始終脳内をグルグルしていました。
カーンが途中でなぞなぞみたいなことを始めたのでシャーロックかと思ってしまった(笑)ベネ様の作品はまだあまりお目にかけていないので、これからもいろいろな作品を観ていきたいです。

そして、パニクるチェコフが超可愛かった!自分の専門でもない部署にいきなり配置されたのに「責任は僕が全部取ります!」って言っちゃったり。(同じセリフをカークやスポックも言っていなかったっけ?結局誰も責任を取っていなかったような…笑)
でも、いざというときはちゃんと役に立っていて、ほんとうにいい子だと思いました!『宇宙大作戦』のチェコフよりずっと好きなので、映画のキャラクター設定は本当に成功だったと思います。安定のロシア訛りも可愛かった。

ウフーラは相変わらずプライベートを仕事に持ち込むっていう…(笑)
でも、クライマックス間際のカークとスポックのシーンはウフーラをも入れぬ絆で思わずにんまり。

スコットも途中からの参加だったのにすごく役に立っていて嬉しかった。エンタープライズには欠かせないキャラクターだということがよく伝わるストーリーの持っていき方だなぁと感心しました。

正直、新しい脇役の女の人の役割はあまりなかったように感じた。女好きのカークとなら恋に落ちる可能性もあるかもと考えたけど、それを入れる余裕がないくらいストーリー的にもいっぱいいっぱいだった気がする。次回作にも出てくるのならキャラの掘り下げもできそうだけど…どうなんだろう?

この前『宇宙大作戦』で見たばかりだったトリブルもチョイ役で登場!さすがに今回は繁殖していなかったけれどモフモフはいいね!(笑)

レナード・ニモイのスポックの出番が前回に比べて思いっきり少なめで残念だったけれど、ザカリー・クイントのスポックがかなり良かったのであまり気にならなかった。こんなスポックを見せられたら評価を上げないわけにはいかない…!(今作はニモイさんの遺作でしょうか?世代交代となってしまい悲しいですが、これからも多くの人々に愛されるスポックになることを願っています。)


前作のストーリーは最初から最後まで一気に貫いていた感じだったのに、今作はカークとスポックの前述のシーンでクライマックスを迎えた気持ちになってしまい、その後が(必要だとは分かっていながらも)付け足しされたシーンのように感じてしまった。

でも、リブート版『スター・トレック』を見るだけでもカークとスポックの魅力に取りつかれる人は絶対にいるだろうな…と思った一作でした!!

P.S.
『宇宙大作戦』の映画のオマージュが多かったらしいね~。観ていないから何とも言えないけど、これはこれでいいんじゃない?
『スター・トレック:ディスカバリー』にも出てくるクリンゴン語がちょこっと出てきたのはいいおまけだった。
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