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パシフィック・リムのRenのレビュー・感想・評価

パシフィック・リム(2013年製作の映画)
4.0
『ゴジラ』は1954年版しか観ておらず、ウルトラマンも一切知らない、それくらい特撮・怪獣ものに触れずに生きてきたのだけど、デルトロだし観ておこうと思って初鑑賞した。めっちゃ面白い。

巨大怪獣と巨大ロボによる市街地ぶっ壊し異種格闘技。超豪華・ぼくのかんがえたさいきょうのえすえふえいが。
他人の感想やレビューを読んだところで面白さが変わるような映画では全くないし、でけーかっけーおもしれーでいいし、そうやって楽しむ映画なのだと思う。オタク趣味が過ぎるギレルモ・デル・トロによる『アルマゲドン』。『パンズ・ラビリンス』を作った人間とは思えない後味。それでいい。

あとはなんと言ってもコックピットを含めたイェーガーのデザインが最高。搭乗から操縦まで、まるっきりの嘘科学でありながらも「巨大ロボの内部/背後で何が行われているか」がチープにならずに可視化された高揚感が確かにあった。
小学生の頃「かいけつゾロリ」が大好きで、その理由の一つがメカや建物を見開き1ページ使って細々と図解してくれる点にあった(それを食い入るように見ていた)のですが、そういうフェチズムを久々にくすぐられた快感がある!

そしてその根底にあるのは、映像制作の根幹でもある「動く/動かす」快楽だと思う。ローリー(チャーリー・ハナム)を始めとするパイロットがイェーガーを動かすアクションはつまり、デルトロが彼の脳内イメージを映像化し動かしていくこととニアリーイコールであり、「キャラクターが→キャラクターを」「クリエイターが→イメージを」動かす、animateする(生命を吹き込む)こと自体の興奮を、無邪気にかつバキバキにパッケージしたものが今作であると定義したい。

コーラとバカでかいポップコーン抱えてきゃーきゃー言いながら観るべき大味アクション大作。

その他、
○ 一つ目のクライマックスを終えた後の、不穏な空気→妊娠してる....?の流れが良い。人類絶滅の原因として、例えば隕石とか公害のように見做されがちな怪獣の “生命性“ を強烈に浮かび上がらせる。Kaiju vsイェーガー(無機物vs有機物)の戦いに明確な線が引かれる。
○ 胡散くささが限界突破していたあいつが噛ませ犬として退場する様式美。
○ マコ(菊地凛子)が実戦でいきなりトラウマに勝てたことに何か理由あったっけ?
○ 芦田愛菜御大。
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