馮美梅

くちづけの馮美梅のネタバレレビュー・内容・結末

くちづけ(2013年製作の映画)
4.0

このレビューはネタバレを含みます

とある知的障害者の集まるグループホームにやってくる、一時は人気漫画家だった、あいじょういっぽんとその娘、マコ。マコは知的障害者で精神年齢は7歳ぐらい。いっぽんの妻は、マコを産んですぐこの世を去って、それからは、いっぽんがマコを育ててきたが、2人だけの生活から、このグループホームへ何故かやってきた。そこにはウーヤンと言う同じく、知的障害の男性をはじめ、数名の同じ障害の人達、そしてそこに働く、個性の強い人達。

マコは幼い時、行方不明になった事があり、その時、男性に対して極度の恐怖を覚えてから、いっぽん以外の男性に対して、混乱するほどだったのに、ひまわりに来て、ウーヤンや他のメンバーに対して、全くその恐怖を感じてないのを見て、いっぽんはボランティアスタッフとしてマコと暮らす事に。

しかし、本当のいっぽんの理由は、自分の余命が限られている事で、マコを1人残したままにしておけない事を心配しての事。

ウーヤンとマコは、マコの誕生日に結婚すると宣言するが、その間にも、ひまわりの運営問題、そして仲間が去って行きグループホームを閉める事に。仕方なくマコを他の施設に入れるが、逃げ出しひまわりに戻ってきてしまう。そしてマコに自分は一緒に居続ける事が出来ない事を告げるのだが、それを理解できないマコ。いっぽんが死んでしまうなら自分も死ぬと言う言葉にマコの末来を考え手をかけてしまう。

障害を持つ親が抱える、子供の社会生活の不安、輝く心を持っていても、現実の社会の目の冷たさに、どうしようもなく苦しむ人達。でも、だからと言って、この作品はそんな暗いばかりではなく、そんな社会生活が難しい人達と、それが普通なんだと思う人達との交流も、キラキラと描かれているんですよね。
馮美梅

馮美梅