MasaichiYaguchi

オブリビオンのMasaichiYaguchiのレビュー・感想・評価

オブリビオン(2013年製作の映画)
3.4
「OBLIVION」とは「忘却」を意味する。
このSF作品は忘却された「記憶」を取り戻し、かつてあった「愛」を蘇らせることを描いている。
本作とは趣きが違うが、設定や構図が似た映画で「トータル・リコール」がある。
ある意味、この作品はトム・クルーズ版「トータル・リコール」と言えるかもしれない。
2077年、エイリアンの攻撃で壊滅した地球を高度1000m上空から監視している主人公のジャック。
彼は、仕事のパートナーであり、妻的存在であるヴィクトリアと荒廃した地球上空に住んでいる。
彼の住居や仕事で使うパトロール機「バルブシップ」、彼がメンテナンスしている無人偵察機「ドローン」等の近未来的デザインが格好良い!
それらとは対照的に、地上のエンパイア・ステート・ビルや自由の女神、マンハッタン橋等の無残で荒涼とした風景が印象に残る。
ジャックはある日、墜落した宇宙船から眠っている女性を発見して救助する。
この敵か味方か分からない謎の女性・ジュリアとの出会いが、彼の運命を大きく変えていく。
更に彼は、彼女が乗っていた宇宙船探索中に捕らえられた謎の集団のリーダーである老人・ビーチとの遭遇が今いる世界の「真実への扉」になっていく。
主人公が彼らと出会い、その謎を追う展開のなかで彼は忘却していた「記憶」を取り戻し、かつてあった「愛」の存在に気付く。
この地球滅亡をモチーフにした映画はSF作品でありながら、壮大なラブストーリーでもある。
このラブストーリーは時や場所も越え、切ない「三角関係」を描きながら展開していく。
果たして、主人公の「愛」はどうなったのか?
そして、地球の運命は?
何か不思議な温もりと希望を感じさせるラストシーンが、心に余韻を残します。