まい

共喰いのまいのレビュー・感想・評価

共喰い(2013年製作の映画)
2.7
年代、街のイメージが、映画と原作とは違っていました。原作の中の「川辺」はもっと泥臭くて、土臭くて、神社の森に一歩踏み込んだらそのまま山道がどこまでも続いているような土地に感じられました。映画の中の「川辺」は、車がほとんど通らないのに乾いたコンクリートの道路がだだっ広く続いており、空き地の中にときおり無機質な建物が見え、住み暮らす人の生活感がなく、ゴーストタウンのような印象すら受けました。何で昭和63年と、年代を特定したのだろう……。

この作品は見終わって「血」というものを突きつけられた思いがしました。「血」は愛情とか、家族の絆などという甘いものではなく、人間が誕生すれば宿命的に発生し、何者にも否定することができない関係なのだと思い知らされました。

俳優さんたちの演技は素晴らしいのですが、結局何を伝えたかったのか分からなかったのが残念。
まい

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