小川颯太

共喰いの小川颯太のレビュー・感想・評価

共喰い(2013年製作の映画)
4.0
菅田将暉が演技を認められて本格的に俳優としての道を進み始めるきっかけになった作品。19歳とは思えない演技に圧巻された。暴力的な父親と同じ血が流れているという悩みが次第に現実的になっていく恐怖、その中でも自分の性欲に抗えないことへの憤りが、登場人物が極端に少なく、一人称視点で物語が進んでいくからダイレクトに観ている側に伝わる。ラストでは丸く収まった感じだけど、不安はやはり拭い切れてないことが表情からもわかるし、ボイスオーバーで流れてくる大人になった主人公の声が、菅田将暉じゃなくて光石研なのも含めてそういうことなのかなぁと。昭和天皇が死んだり、彼女がもう痛くないと言ってるラストシーンからは、女性の強さのようなものを印象付けたかったのかなと思った。個人的に水の描写とか釣竿の描写にも気づけたのが、今取ってる授業と重なって嬉しくなりました。
小川颯太

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