〝何故、人が人を殺めてはいけないのか?〟
このシンプルな問いに、あなたは即答できるだろうか…。
これはイタリア全土で論争が巻き起こった〝尊厳死〟について考える物語。
約70%を越えるカトリック教徒の国〝イタリア〟ならではの宗教的視点からも、〝尊厳死〟に対する考え方は重い。
しかし現実を見ればいわゆる植物人間状態の患者や不治の病によって苦しむ本人や家族は、宗教をも越える人間個人個人の尊厳の問題ではないか。
人間の終末期に苦しみからの解放を拒む理由が、いったいどこにあると言うのだ。
政治家・女優・医者と3つの〝眠れる美女〟の物語をランダムに展開させ、それぞれのココロの葛藤を描く。
これは〝死〟を考える物語ではなく、現実を見据えた〝生き方〟の物語でもある。
人間も動物で有り生きることには変わりはないが、もし動物と違うとしたら理性や意思をもって生きている。
様々な事情があるにせよ生まれる自由がないとしたら、せめて死ぬ自由を選択しても良いのではないか。
本来人間の存在は時代と共に変節する憲法や法律とは関係なく、最後の最後は自らの意思で人生を終わらせるのも1つの尊厳ではないか..★,