これはもう、あかん!
絶対感動するやろ〜
あかんて、これは!
日本人にとっては、また記憶が生々し過ぎる。
津波に飲み込まれた後、画面が暗くなり、
音が消える。
映画なのに、息が辛い。苦しい。
2004スマトラ沖地震で発生した大津波は、タイのリゾートアイランドを
一瞬で飲み込んでしまう。
分かっていて借りてるのに、
分かっていて観てるのに、
怖い、辛い、
この映像の衝撃波に、私たちも一気に飲み込まれてしまう。
ヤシの木がコテージが、もちろん人々が瞬時に流される。
潜る、その上に流れてくるガレキ。
ちょっと前まで意味のある形だったものが
流されている人の足を、胸を襲う。
痛い!ナオミ・ワッツ、痛い!
仮設の病院のシーン、いたたまれない。
そんな中でも、そんな中だからこそ、
人として飛躍的に成長するルーカス!
ちょっとニヒルではにかみ屋だったお年頃の男の子が、男になる。
「ルーカス。本当に愛してるよ!」
お母さんの心からの声!
「聞いて、聞いて、ママ!僕すごくいいことやったんだよ!」駆け寄るルーカス、
でも、ママはいない。
うまいね、辛いね!
フアン・アントニオ・バヨナ監督は、この映画の後に撮った「怪獣はささやく」を観た。
「怪物」も、アニメーションや特撮をうまくドラマに融合させた良作だったが、
本作でも、津波の恐ろしさの他、
避難所の混乱をカメラを一気に引きにして見せるシーンなど、絵として確立させているところが素晴らしい!
最初に書いたように、この映画には、
人物の描き方など細かい指摘を言うのは、
なんか違う気がしている。
不慮の事故や災害で命をうばわれた世界中の人々の為に、こういう映画が作られたことの意義があるんだなとも思う。
ユアン・マクレガーのご主人は、日本で働いているという。
あの家族が再び恐ろしい災害に遭っていないことを願います。