けんぼー

ぼっちゃんのけんぼーのレビュー・感想・評価

ぼっちゃん(2012年製作の映画)
2.9
2020年鑑賞171本目。
愛されたいブサイク男の心の叫び。何度か鑑賞するとわかってくるかも。

「星の子」公開に向けて大森立嗣監督作品の予習。
結構人を選びそうな作品。ブサイクで友達がいなくて性格も悪い主人公の葛藤の物語。幼い頃からコンプレックスを抱いていたからか、どんなことに対しても素直ではなく、性格が曲がってしまっている。他人の成功を妬み、卑屈になっている。そしてその鬱憤をネットのスレに書き込む日々。こういう人、確かに現実にもいそう。
そんな主人公が、自分を虐めてこき使う職場のヤバい同僚や、唯一出来た友達と言える存在、好きになった女性との関わりの中で、成長・・・・はしない。
結局、物語の最初と最後で何かが劇的に変わったわけではない。こういう話って万人受けはしないだろう。でもそれがまたリアル。
物語では直接描かれてはいないが、主人公は育った家庭にも問題があったのかもしれない。幼い頃から、親からの愛情を十分に与えられていれば、ここまで卑屈な性格にはなっていなかっただろう。映画の中での登場人物たちの行動だけに注目するのではなく、「なぜこういう人間になったのか」ということに思いを馳せるとまた感じ方が変わってくる作品だと思う。それを狙ったのかな。
描こうとしている人間像はリアルなのだが、登場人物たちの会話や行動が不自然なところが多く、個人的にはあまり物語に入り込めなかった。
あと、音楽が微妙。あえて安っぽく、メロディラインも不安定な感じにしているのかもしれないがダメだったなあ。
ウィキで調べて初めて知ったけど、大森監督って大森南朋のお兄ちゃんなのね。全然知らなかった。だから大森南朋は本作は出てないけどほぼレギュラー出演みたいな感じなのか。

2020/10/8鑑賞