川田章吾

死霊のはらわたの川田章吾のレビュー・感想・評価

死霊のはらわた(2013年製作の映画)
3.7
ホラー映画にしては珍しくストーリー性のある映画で面白かった。
怖さよりもグロさの方が強かったけど、意外性はない。ちなみに、意外性で怖いのはやっぱり『悪魔のいけにえ』かな。人間を家畜と同じに扱うって本当に不快で意外で、すごく嫌悪感を覚えた。
また、怖さの伏線の打ち方で言うと『リング』が抜けてるし、モンスター的なキモさでは『呪怨』かな。

こうした作品を並べると、この作品は見劣りがするのだけど、物語性があるのは意外だった。
というのも、普通、ホラーはリアリティを出すためストーリーラインを下げ、物語性を極力排して作っていく。
そうすることで、現実にある(いる)はずのないものがあるように「感じ」てしまい、それがホラーとしてのその作品の素晴らしさに還元されていくのだ。

しかし、今回は物語性があり、主人公はゲームのようにラスボスを倒すことで、恍惚感すら感じるような作りになっている。
これが逆に意外性を感じて面白かった。
ただ、主人公は最後の展開まではミアの兄妹のデビットであり、ミアにいきなり変わっても感情移入できない。
また、デビットとミアの兄妹愛を物語テイストで描くなら、序盤に2人の絆を描かないと成立しない。

ラスボスがミアに刃物を突き付けるシーンとか、よくあるけどオバケの視点になってカメラで追いかけるとことか演出とかはよく出来ていたので、もう少し脚本をしっかりした方が良かったかな。

まあ、こんな偉そうに書きながら、結構ビビってたんで、年末の朝、iPhone8の小さな画面で鑑賞してましたけど…何か?
川田章吾

川田章吾