ねまる

少年Hのねまるのレビュー・感想・評価

少年H(2012年製作の映画)
3.9
原作未読。
だからこそ強いインパクトと、古沢良太脚本の良さがmixで純粋に感動した。

時代に合わせて生きていくには常に同じ場所にはいられないんだけど、
守られるべきだった平和は、国の指針によって壊されてしまうこともある。

そうならないよう、一人一人が社会に意識を持て、ってことでもあるんだけど、
それ以上に、
どんな環境にあっても、強く生き抜かなきゃいけないってことだよね。

その反対に位置しているのが、
うどん屋の兄ちゃんと、オトコ姉ちゃん。

必要以上に社会に逆らって、共産主義と言われて逮捕されたうどん屋の兄ちゃん。

出征を前に逃げて命を絶ったオトコ姉ちゃん。

不条理で、最低で、最悪な世界の中で、ただその瞬間を生き抜こうとしていた人達。
そう出来なくて、散っていった命も多くある訳だけど、
生き残れる未来を信じて、
家族でまた笑える世界を信じて、
生きていかなきゃいけないんだ。

どんな時でも自分を見失わないこと。自分を強く持つこと。
自分の目で見て、自分の耳で聞いて、自分を信じる。

キリスト教徒の母親と意見が食い違ったって構わない。
どちらが正解もない。
自分が信じたことが正解。

「この戦争なんやったん!」
社会背景から見たら、戦争になってしまった理由も授業で学んだんだけど、
市民から見ると、ただ苦しめられただけなんだよね。

家族4人以外の出演時間はみんなとっても短いんだけど、短い中でも印象を残せるキャストたちばかり。

昔放送されたドラマ版で、窪塚洋介がオトコ姉ちゃんを演っていたらしく、
今はそれが観たくてたまらない。
DVD化されてないんだとか…
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