安堵霊タラコフスキー

旅する写真家 レイモン・ドゥパルドンの愛したフランスの安堵霊タラコフスキーのレビュー・感想・評価

4.8
ニックス・ムービーやアニエスの浜辺みたくこの人でないと作れないと思うような作品というのはどうしても存在自体に嬉しくなるせいで評価が甘くなってしまうのだけど、このレイモン・ドゥパルドンの集大成的作品もまさにドゥパルドンのそれまでの仕事を集めた、彼と伴侶にしか作れないものとなっていた

レイモン・ドゥパルドンの過去作と写真の撮影風景で構成され、2012年の製作当時のドゥパルドンの過去と現在を行き来するような仕上がりとなっていたこの作品は、彼の作品を少ししか知らないせいもありさながら彼がこれまで見てきた事柄を追体験するかの如き感覚を味わえたのは実に興味深かったし、純粋に映像を見ても人物や出来事を撮ることについて考えさせられる彼の写真家やドキュメンタリー監督としての手腕に唸らせられた

クライマックスでアレクサンドル・デスプラの音楽使って盛り上げすぎかなと思いもしたけど、ドゥパルドンの仕事を通して彼に触れられたような気もした経験のできたことは中々に貴重だった