このレビューはネタバレを含みます
後半部分で、現在75歳のレイモン・ドゥパルドンがフランスを車で走り回りながら「もっと外国へ行って撮ればよかったかな」(ニュアンス)と言う。彼は、これまで長い間様々な国へ足を運び、精神病院や警察、裁判所等フランスの内情を取材し記録してきた。しかし、ここ最近はフランスの田舎を中心に写真を撮っているらしかった。きっとフランスだと探し物とは違う何かが見つけやすいのだろうと思った。慣れている場所だから目新しさや物珍しさが際立つことはないし、過去や大切な人のことを思い出しやすい。つまり、明確な目的もなく移動する「旅」、本当の意味での「旅」ができるということだ。
これからも写真を撮っている方々の執念にときめいていたい。