ゆっこ

シタデルのゆっこのレビュー・感想・評価

シタデル(2012年製作の映画)
4.0
奥様を怪しげなフードかぶった軍団に殺され、そのお腹で生き残った赤ちゃんと2人で生きていかなくてはいけなくなった主人公。

しっかりしなくちゃいけないのに、奥様の件がトラウマで「広場恐怖症」になってしまう。ただでさえ前途多難、ジャケットでわかるように痩せた顔にギョロギョロとした目の不安が服着て歩いてるような主人公がどんどん追い詰められていく様はもう見ていられない程。
天気はいつも曇ってるし、街は殺伐として冷たい風だけいつも吹いてるような雰囲気がさらに彼の孤独を強調していてこちらの居心地もすこぶる悪い。

そんな彼のところに、奥様を殺したあいつらが娘さんを攫いに来て…というお話なのだけど、ただでさえいい芝居をしている主人公の援軍となるオヤジと子供。
この子役もまたとんでもなく良いお芝居をするもんで、2人への感情移入が半端なく、ラストの見せ場では涙すら出そうになる。
なかなかに怖い状況なんだけど、そこに流れる音楽がこの映画のテーマを示していてとても良い。

派手な場面はないけれど、ジワジワ怖い良い作品です。おすすめ。
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