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モンスターズ・ユニバーシティのTSのレビュー・感想・評価

3.4
【素質より大事なもの】74点
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監督:ダン・スキャンロン
製作国:アメリカ
ジャンル:アニメ
収録時間:103分
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『ムカデ人間2』を見た後に気分転換に見ました(笑)『モンスターズインク』から12年後に製作された今作。このスパンはトイストーリーの2と3に匹敵します。しかし、今作は『モンスターズインク』の前日譚であるので続編とは言い難いです。若き日のマイクやサリー、ランドールが大学でそれぞれ奮闘していくという話です。

マイク・ワゾウスキは昔から怖がらせ屋に憧れていて、モンスターズ・ユニバーシティに入学することになる。その怖がらせ学部には、名門一族出身のサリー、そして後に敵となるランドールも入学していたのだが。。

実は『モンスターズインク』自体もそこまでハマれなかったので今作もまあまあと言ったところ。ランドールはまだ善人ですし、逆に最初のサリーは中々小憎たらしいです。エリートのサリーは最初から自分が優れていると思っているため努力をしようとしません。対し努力をし続けるマイク。まさにウサギとカメ現象。。とまでは行きませんがやはり努力を怠るなというメッセージなのでしょう。

さすがピクサーといったところで、しっかりと社会的メッセージも込められています。夢を持つことは良いことだが、それを叶えるには相当の努力をしないといけない。しかし、社会というのは皮肉です。夢を持てと大人は言いますが、それを潰し現実を見させるのもまた大人なのです。マイクはどれだけ努力しても、怖がらせ屋に欠かせない「恐怖」が欠落しています。サリーが小細工などをして助けたりしますがマイクにとっては余計極まりない行動。この「恐怖」とはいわゆる「素質」です。素質がなければやっても頂点を目指せないのが普通です。しかし、頂点なんて目指さなくても良い。大事なのはそれをやりたいかどうかということ。残念ながら驚かせる素質をあまり持っていないマイクですが、それでも果敢に挑み続けます。これらは、自信をなくした夢追いの人の心に響く姿勢なのではとも思えてしまいます。

いろんなモンスターが出てきて、必死に怖がらせる特訓や勉強をしているのが面白いです。この世界では、怖がらせ屋とは憧れの職業の模様。怖がらせ屋のシステムに関しては『モンスターズインク』を見ないと流石に分かりづらいと思いますが、単品として見ても何ら遜色ない作品だとは思います。
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