うめ

さよなら渓谷のうめのレビュー・感想・評価

さよなら渓谷(2013年製作の映画)
3.1
壊してしまった
何もかも
傷つけられた者も
傷つけた者も

埋められる訳なんてない
わかっていても
貪るように体を重ねる男と女
漏れるその声から
感じられるはずの悦びはなくて
押し殺した
すすり泣くような聲だけが溢れ出る
渇いた心を必死にこすり合わせても
潤いどころか
とめどなく血が滲むだけのに
でも
他にどうしようもないから
こんなのが
私達にはお似合いだから
今日も
私達は泣きながら求めあうんだ


演技派が揃っているのに
なにかしっくりこない。
存在感を見せるからこそ、それぞれの心の動きが描ききれてないように思えた。
大森南朋と鶴田真由の夫婦なんて
すごい演技なのにもったいない。
作り物めいた色気を持つ真木よう子。
セリフも聞き取りづらいし、演技も上手いとは思えないが…
彼女が作品の空気に最も馴染んでいるのだから不思議ですね。

構成としても微妙。
掘り下げるのってそこじゃないよ。
ずっと感じるチグハグさ。

そして
私が一番この映画を好きになれないのは
大西信満演じる主人公の行動が許せないからでしょう。
そんなのは償いじゃない。
そもそも償えるわけがない。
自分を慰めてるだけ。
映画と分かっていても、ああいう犯罪には嫌悪感しかない。

吉田修一は好きな作家ですが
原作もこれに近いのだろうか。
とりあえず
この映画
私は好きになれません。