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さよなら渓谷のsleepwalkerのレビュー・感想・評価

さよなら渓谷(2013年製作の映画)
4.0
物理的に殺すと言う行為は勿論非人道的で許される事ではない。
サイコ野郎やシリアルキラーのように無差別に自分の欲求を満たす為に人を殺す、一方、自分の子供が殺された、恋人が殺された、もし自分が同じ立場に立った時にどのような衝動にかられるかは今は分からない。だがもっとわからないのは性的犯罪と言う精神的に殺すと言う行為。
性欲と言う一時的な欲求を我慢できずに人の心をズダズダに切り裂く。
加害者が普通に暮らしている
被害者は一生暗闇でもがき苦しむ
普通の生活を取り戻したく一生懸命に普通の顔のマスクをして社会に溶け込む。
恋をすれば自分の過去に罪悪感を感じさらけだす恐怖、失う恐怖を感じながら人を愛する事をさけてしまう。
加害者を許すと言う事はきっとどのような反省や謝罪があっても出来るものではない

真木よう子演じる「かなこ」はきっと許したのではなく一緒に暮らす事で大西信満演じる「俊介」を自分なりに裁き十字架を下ろす事を許さず苦しむ姿を見て自分を浄化しようとしていたのかもしれない。
その中で生まれた二人だけの世界にある愛の形は歪んでいるのか、それとも見た事もない綺麗な円を描いているのか•••
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