バナナ

まぼろしの市街戦のバナナのレビュー・感想・評価

まぼろしの市街戦(1967年製作の映画)
5.0
やっぱり!気が狂ってんのは俺じゃなくてお前ら!ザマミロ!


人と違っていること、少数派であることを肯定してくれるばかりか、最終的にはむしろ正気なのは少数派で、多数派の方こそ狂っているのだと、一般的な価値観を見事にひっくり返ってしまった。
変わりもん扱いされる惨めさや後ろめたさを気にする必要はない、むしろ胸を張っていて良いんだと、この映画から勇気をもらった。


真面目なこと書いとくと、この映画で描かれてる精神病患者達はどうみても60s当時のヒッピーが投影されていると思う。
ヒッピー達が何に抗っていたかというと、ベトナム戦争。
また、当のフランスはというと60s初頭までアルジェリア戦争をやっていた。
作中では一次対戦が舞台になってるけど、過去の戦争をコメディに仕立てて現在の戦争の愚かさを糾弾するという構造が巧い。