Jeffrey

まぼろしの市街戦のJeffreyのレビュー・感想・評価

まぼろしの市街戦(1967年製作の映画)
3.0
‪「まぼろしの市街戦」‬
‪冒頭、第一次大戦末期の北フランス。鐘の音と歯車の音。英軍に追撃された独軍、大型時限爆弾、精神病院、化粧する女、動物との遭遇…本作はP.D. ブロカ監督による66年仏映画で既にリオの男の成功で有名にはなっていたが本作でその名を世界的に知らしめた傑作で、この度4kで再鑑賞したが全く古びない重層で普遍的、そして反戦映画で何もかもがお洒落で愉快な仲間たちとの人騒動ある素敵な街を冒険する楽しく面白い作風だ。まず古い建物、原風景で綺麗な街並み、G. ビュジョルドが可愛い。この名作が本国の仏蘭西では微妙な評価だったらしいが、米国やカナダで上映するやいなやカルト的人気を博したのは周知の通りで、衣装が取分け素晴らしいし、音楽もこの映画には欠かせないチェロを中心にオーケストラ調に流れる。またヒトラー伍長を演じたのは監督自身、一瞬だが彼が出演してる。物語は戦争時、解放を待つ小さな街では時限爆弾が何者かにより仕掛けられた。それを解除すべく通信兵が命令を受ける。街で独兵に出くわし逃げ込んだ精神病院には戦争とは裏腹に楽しそうにトランプをしている。咄嗟に名前を聞かれ適当にハートの王と答えたのが運の尽きで彼は精神病患者らの王に祭り上げられる。そこには異様で奇妙な環境が存在しその狂人らに取り込まれ物語は壮大に展開する…まぁ兎に角エネルギッシュに満ちた作品で素晴らしいし喜劇調になっている分、十分に娯楽性に達した反戦映画だと個人的には思うも、駄目な人には何故かダメみたい…。また果たして精神異常者らは本当にイかれてる奴らなのか…戦争をしている奴らがイカれているのか…様々な解釈が起きると思うが一度は見て欲しい‬。
Jeffrey

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