タケオ

まぼろしの市街戦のタケオのレビュー・感想・評価

まぼろしの市街戦(1967年製作の映画)
4.2
メルヘンチックかつ詩的なイメージで戦争の狂気と愚かさを描いた反戦映画の傑作。公開当時はあまり興行的に振るわなかったものの、ベトナム戦争に反対する若者たちの間でたちまち人気となり、今では世界的に愛されるカルト•クラッシックとなっている。精神病院から抜け出し'日常ごっこ'を楽しむ患者たちと、軍服を身にまとい殺戮と破壊に精を出す兵士たち。いったいどちらが狂っているのか、どちらが正気だといえるのか?可愛らしくユーモラスな世界観で魅了しつつも、風刺の効いた鋭い問いかけで鑑賞者の固定概念をグラつかせる正に大人のおとぎ話。真に全てを理解しているのが'誰'なのかを匂わせるラストショットの清々しさは、きっと何度でも味わいたくなるはずだ。
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