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フィギュアなあなたのレクのネタバレレビュー・内容・結末

フィギュアなあなた(2013年製作の映画)
3.0

このレビューはネタバレを含みます

自暴自棄になったオタク青年が等身大の美少女フィギュアと出会ったことで男の妄想に取り込まれていく様をファンタジック且つエロティックバイオレンスを織り交ぜ綴られる。

内に秘めた欲情が爆発し、錯綜する現実と虚構。
無駄に長い触診シーンと無駄に多いローアングルは男心と性欲をウザイくらいに突きつけてくる(笑)

ロボットや人形、無機質な物が心を持つ。
このような設定は特に目新しいものではない。
それらは大抵は自発的なものであり、自我を持つことが多い。
例えば、アレックス・プロヤス監督の『アイ,ロボット』では自我を持つロボットとの共存をテーマにロボットの在り方を描く。
また、是枝裕和監督の『空気人形』では自意識に目覚めた女性が人間のように振る舞う姿が描かれる。

今作においての最大のポイントは"オタク青年がマネキンに魂を吹き込んだ"ということだろう。
マネキンは意識はあっても体を動かすことは出来ない。
オタク青年の都合のいいように動くこと、が序盤からオタク青年の妄想であることを暗に示唆している。
つまりは、動くこともなく、抵抗することもない、フィギュアが好きな彼が望む女性の具現化なのだ。

そのラストのオチでもある乱雑に置かれたマネキンが置かれた部屋を見た瞬間
「ああ、やっぱり夢オチか」という感想と同時にオタク青年の狂気にゾワゾワと逆撫でられるような怖さを覚えた。
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