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クソすばらしいこの世界のhoteltokyoのレビュー・感想・評価

クソすばらしいこの世界(2013年製作の映画)
4.0
ある日本人の留学生グループは、同じ学校に通う英語が堪能な韓国人の子を誘い、旅行にでかけることに。人気もない拓けた田舎道で、シリアルキラーのアメリカ人の兄弟と遭遇してしまう・・的な物語。

いや、タイトルから気になっていたのだが想像以上に良かった。演者の演技が中途半端だったり、全体的な荒さは残るものの、これらを狙ってやっているところ、むしろ重要なところはそこじゃないという強烈なメッセージが伝わる作品だった。名作『悪魔のいけにえ』や『シャイング』等のクラシックなホラー映画によくある散りばめられた謎や、不思議な能力なども盛り込みつつ、アホな学生が冷酷な殺人鬼に狙われるという、いわゆる王道路線の中でどちら目線で観てよいのか分からない妙な間を作り上げることに成功している。

そもそもスプラッター映画って程よい雑味が残っているのが歴史じゃん。そいういった決り文句を忠実に日本人の監督が守っているところが、かつて故人が残してきた映画文化への敬意を感じた。

この監督とぜひお茶でも飲みながら、この作品ができた経緯を聞いてみたいものだ。
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