まぼろしの市街戦の作品情報・感想・評価

「まぼろしの市街戦」に投稿された感想・評価

ドント

ドントの感想・評価

4.0
 1967年。おもしろかった。1918年。押されたドイツ軍はフランス北部の小さな町を、敵国への最後っ屁とばかりにみんな吹き飛ばす爆弾を仕掛けて撤退、住民も逃亡。さてそれを知ったスコットランド軍は伝書鳩係の兵士を町に送り込むが、ちょいとした偶然で心の病院の患者たちがゾロゾロと町に繰り出しはじめ……
 戦争/平和、正気/狂気と言うよりは「まとも」や「まっとうさ」をテーマにしたひとつの寓話。青と灰色と土色の町に出てきた患者たちが台詞もなしに赤青黄色紫の思い思いの服を着てワイワイやりだす場面の高揚感が素晴らしくてずっと見ていられる。イヒヒと笑ったり涎を垂らすなどの類型的な「狂人」的な演技はおらず、みんなしてちょいとズレているというか頭がお花畑くらいなのが寓話性を高めていると思う。
 患者さんと軍人さん、現実に対応しているのは後者なのだが、さて「まっとう」なのはじゃあどちらでしょう、と問われるとウ、ウーン、となる。患者さんも急にふとまともに聞こえることを言ったり、終盤の展開から一種の佯狂ではなかろうかとも感じたりも。そういう曖昧な、説明しきらないあたりも好ましかった。
 お話や色彩やデザインや遊び心はいいのだが、それらに対して映像として面白味に欠けるのでとてももったいない気がする。しかし最後のショットでもってだいたい全部許してしまえる心持ちになった。これもまた「顔」で締める映画なのだった。原題は『心の王様』、本編にトランプが出てくるわけだが、大変に意味の深いタイトルでもある。実は8年くらいずっと観たかった作品だったので、感慨深い。
♪ さあさあ 寄っておいで 覗いてみな
  今宵皆様にお贈りするは
  ありとあらゆる愛ヌラリ お楽しみあれ

唯一無二の反戦映画。
…として巷で評判のカルト映画。
念願のレンタル開始!ということで、ようやく鑑賞することが出来ました。

ジャンルで区分するならばコメディ。
…なのですが、根底に流れるのは哀しみ。
何も考えずに嗤うような物語ではありませんでした(誤解が誤解を招く展開は面白いですけどね)。

何しろ、物語の主役は狂人たち。
…というか、これって言葉の選択として適切ではないかもしれません。何が正常なのか、何が狂気なのか。そんなことは誰にも決められませんからね(少なくとも僕は正常じゃないと思っています)。

どちらにしろ、隔離された人たちの物語。
…というか、これも適切ではない言葉ですね。
正常(だと思っている人たち)は、彼らを守るつもりで幽閉しているのでしょうから(幽閉ではなく保護だと言うのかもしれません)。

ただ、人類において最も重要なのは“自由”。
…それは歴史が証明しているわけで。
檻の中に閉じ込められていても、精神は青空の下を飛ぶかの如く。そんな彼らは光り輝いていました(檻の中を選ぶライオンが皮肉的です)。

そして、それを具現化したのが《コクリコ》。
…バレエのチュチュこそが正装と言い、純真な眼差しで主人公を見つめる美しさは素晴らしく。たとえ物語に振り落とされたとしても、彼女を観るだけで眼福なのです(卑猥な思いは抱いていませんよ)。

まあ、そんなわけで。
第一次世界大戦を舞台にした反戦コメディ。
「感受性が豊かな年頃に鑑賞していたら価値観が変わった」と思うほどに豊饒な物語でした。たぶん、今の日本では規制の声に囲まれて、作ることが出来ない系統ですね。そう考えると、本作を笑い飛ばす剛毅さはフランスの強みですな。懐が大きい。
崖の上にいる皆が人形劇のようでそれが幻なのかと思ったどうなんだ
ウメダ

ウメダの感想・評価

4.1

このレビューはネタバレを含みます

町山智浩氏がオールタイムベストに挙げていたので見てみました。
これは良い映画ですね。というか、見てる時にはそこまでハマってないんだけど徐々に良いなあと思えてくる作品です。

4Kデジタル修復版で映像が凄く綺麗です。
ロケ地の建物、服の色使いがイイ。
影響受けてるかは分からないがクストリッツアやホドロフスキーに似た感じがします。








以下、ネタバレ↓

終盤、誰がおかしいのか、誰が間違っているのか、なにが正しいのかわかんなくなってきました。
ラスト、実は精神病棟の人は正常者で、ラストの主人公同様、みんな戦争したくないから、病棟にいるのではないかとまで思ってしまいました。
ペジオ

ペジオの感想・評価

4.4
僕も大概だけど、世の中には負ける

外界から隔てられた「一つの世界」はまごうこと無く狂っていたからこそ、そこに迷い込んだ兵士たちは逃げるように出て行く
これ以上ここに居たら自分の正気が飲み込まれてしまうと感じたから
…を踏まえると、主人公の最後の選択を「現実逃避」と一蹴したくはない
所詮「正気」なんて「多数派の狂気」でしかないのだ

主人公が目覚めた時の街の雰囲気が「RPG」の町っぽく感じたのは、まさに「役を演じる」という展開からだろうか
ここに至るまでの患者たちの「変身」シーンがすこぶる楽しい
Le Roi de Cœur
King of Hearts

無人となった街で仮装した精神病患者たちが大暴れする
戦争を皮肉って茶化し倒す楽しい映画
シずカ

シずカの感想・評価

3.5
愉快のお布団に包まれていながらたまに冷たい現実の空気に触れる映画。

精神病棟の人たちが街に出てそれぞれなりたい自分に変身していくところで一緒にわっくわくきらきらしてたのに、ただの劇でしかないことや戦争や軍のことを本当はちゃんとわかっていて自主的に元いた場所に帰っていくところで現実の風を感じた、、、患者の頭のなかはひたすらお花畑だと思ってた、、、すみませんでした、、、衣装脱ぎ捨てて行くところで夢が、、終わった、、ってなる、、。

軍にも街にもまともで頭のいい冷静な人間が一人もいないのがおもしろいしみんなの服装がオフランスゥ~でかわいいしプランピックとコクリコのラブシーンがありそうでなくてあったようなだしモブはあっけなく死ぬ。
あ

あの感想・評価

4.0
反戦映画だとか根っこにあるメッセージ性よりも、ただただ束の間の夢のように訪れたカラフルでユニークな時間が、わたしの好みドストライクだったのでオールオッケーです🙆‍♀️
シュヴァンクマイエルのルナシーとかホドロフスキーとかクストリッツァとか似たような雰囲気の映画がいろいろ思い浮かんできたけど、これはこれでまあ良かった。
あとコクリコちゃんめっちゃかわいい、黄色のチュチュがあんなに似合う成人女性いなくない?妖精だった、、、
pino

pinoの感想・評価

4.6
傑作
‪子供から大人まで観れる作品だと思う‬

‪しかし掘り下げると深いメッセージと時勢への風刺、社会への皮肉も含んでいて‬
‪大学の抗議などでも取り上げられてたりするのかな

小気味良いテンポもいい
コクリコちゃんもいいね
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