ほわいと

プレミアム・ラッシュのほわいとのレビュー・感想・評価

プレミアム・ラッシュ(2012年製作の映画)
3.8
最高峰の自転車アクションが観ることが出来る作品、アクションはとにかく凄い!車よりも命の危険が大きいという面で、高い緊迫感を出すことができている。
こういった自転車扱った映画、ドラマやドキュメンタリー等を観たことがなく、よりこういった自転車に焦点を当てたアクションに凄く興奮したし、終始ドキドキした。都会のメッセンジャーという題材は自転車アクションを魅せることにおいて最適なものだったと思う。

いくつかの場面で主人公の特殊能力?とまではいかないけれど、予知能力みたいなものを演出で見せてくれる。その予知能力によって、車や人で溢れる空間の中で安全なルートを瞬時に判断し、走り抜けるという所業をみせる。似たような演出だとニコラス・ケイジ主演の「NEXT」で予知能力の予知したパターンを分身化したようにみせて、安全な手立てを探るってシーンがあるんだけど、それに近いかもしれない。

オープニングとエンドロールで使われるThe Whoの"Baba O’Riley"は主人公の名前、Wileeにかかってるのか、どうなんだか…。この映画で使われている曲は最近のロックが多くて、好きな曲も多いんだけど、使い方がイマイチ、パッとしないというか…ありがちなぶっこみ感を感じてしまった、曲が無いよりは全然マシなんだけど!(笑)
My Chemical Romanceの"Na Na Na"を使用してるシーンはなんか明らか無理やりな感じが否めない…けど、面白いからいいや!
曲の話は置いといて、音楽プロデューサーのデイブ・サーディの手掛けるスコアは素晴らしい!この映画のアクション・演出のスタイリッシュさにマッチしたスタイリッシュでエッジーなロックサウンドは心地良いし、高揚させてくれる。

素材は良いものが揃っている。俳優陣も巧みに自転車を操って、怪我をいとわないアクションシーンにも挑んでくれているし、音楽も演出も格好良い、撮影なんか凄い大変だったろうと思うけど、完璧。
ただストーリーの面でいうと、自転車アクションと逃走劇を合わせる橋渡し部分のストーリーがあまりマッチしてない…最後は丸く収まってるから良いんだけど、もうちょっと面白くできたであろう作品に感じるし、評価がイマイチ低めなのはそこが原因だと考えられる。
敵も小物感満載でショボいし、なんといってもアクションシーン以外のストーリー性の薄さというか弱さが致命的で面白くない。ストーリーには中国が関連してくるんだけど、これが全然作品とマッチしてないから作品の勢い、テンポを崩し、殺してる。しかも時間軸いじってるから余計にあざとく感じる…。

疾走感溢れる演出で、自転車で走って走って走りまくる!走りたおす!走り回す!走り飛ぶ!そんな自転車アクションは一見の価値あり!ジョセフ・ゴードン好きも観て損はしないはず!
都会のメッセンジャーは本当に命懸けというのが分かります。