いち麦

ホーリー・モーターズのいち麦のレビュー・感想・評価

ホーリー・モーターズ(2012年製作の映画)
5.0
姿なきクライアントとのアポ通りに幾つもの姿に変身し移り変わっていく仮想的な仕事のオスカーの長い一日。カラックス&ドニ・ラヴァン5度目のタッグはさらに希釈された物語性と陶酔するほど映像美溢れるカルト作品。

これ、11役をもこなしたドニの代表作となるのでは。中でもエロティックなモーション・キャプチャ俳優や、美女を相手にする純真な野獣メルド、インターミッションでのアコーディオン奏者などには度肝を抜かれた。
またしてもポンヌフの側、セーヌ川を見下ろすサマリテーヌ屋上からのパリを映すシーンに感涙。K.ミノーグの主題歌“Who Were We?”も涙を誘う。エンドロールにかかるオーケストラ版も実に甘美。
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