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シージャックのsmithmouseのレビュー・感想・評価

シージャック(2012年製作の映画)
3.0
海賊とはアウトローなんだろうか?
限りなくビジネスに近い気さえする。

「Happy Birthday Dear Capitão!」

インド洋沖で海賊にシージャックされたオリオン社所有のデンマーク船籍ローゼン号。身代金の要求額と限度額に厳然たる開きがある中、海賊側の交渉役として本社社長ペーターと交渉にあたるのは料理人ミケルだった。

全くといって良いほどエンタメ性は無く、必要最低限のドラマ性だけが有る。
記録映像と見間違う位、吹っ掛けと値切りの電話のやり取りが続き、海賊、船員、経営者の3者の追い詰め追い込まれが続くだけ。

しかし、リアル。
事件は動的に進行している局面では無く、全く静止して見える静的な均衡状態の割合の方が多いんじゃなかろうかとも思う。
船員も海賊も皆当たり前の様に食べ、立場を越えて話し、焦り、喜び、憔悴していく様が只々映し出されていく。
最後に用意されている静かな衝撃を持った後味悪めのサプライズも含め、余りに静か過ぎて見てる側の神経が参りそう。

ドキュメンタリー的非日常映画。
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