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ちょっとフランス風のout1のレビュー・感想・評価

ちょっとフランス風(1949年製作の映画)
5.0
2020.04.13@DVD
2020.01.14@渋谷シネマヴェーラ

ロマンティックコメディとしても最高なんですけど、恋愛の残酷さが根底に流れていて、泣きそうになった。
表現を追求するあまり、身勝手でエゴイストな映画監督ゲイル。

誠実で優しくて女性を幸せにできる、地位もお金もある、長身イケメンプロデューサー・ダグ。
ヒロイン・メアリーはダグから愛されるが、彼女はゲイルを愛しているので、ダグを愛せない。

恋愛な無根拠な残酷さ。ラブロマンスに内包する切り捨てられる人間の切なさ、世界の残酷さを見事に表現している。

撮影されているミュージカル映画の舞台セットはフイルムノワールを想起させるような陰影の深さ。
そんな所にも、ハリウッドに影をもたらしたのは、ドイツ人監督たちの1人であることが伺える一品。
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