コメディ的要素は最後まで合わなかったけれど、中島哲也のネームバリューに引っ張られて最後まで。
権力者をもった傲慢な老人と、一日しか記憶が保てない少女のふれあいを描いたハートフルなお話。
…と設定だけ綴ると、ありふれたお涙頂戴映画に聞こえるけれど、よくもまあ、ここまでアバンギャルドに再構築したな、と。
美術とレイアウトのセンスは日本の鬼才といわれるのも納得。実写とCGもテンポ感にズレがなく、とても良かった。
美術とパコ役のアヤカ・ウィルソンの可愛さだけでも見る価値あり。
しかし、彼の作品において、浮浪児風の廃人はどんな意味があるのだろう。本作では妻夫木が演じていたけれど、「告白」でも見覚えがある。監督にとって必須なのかしら。
黒澤明からインスパイアされていたりするのだろうか。
# 283/2018