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パコと魔法の絵本のMKのレビュー・感想・評価

パコと魔法の絵本(2008年製作の映画)
4.8
後ろ向き再鑑賞三作目。
すでに二、三回観てるけどやっぱり好きな映画…号泣。

事故で両親を失い、その後遺症で1日しか記憶が持たない少女パコと裸一貫から企業の社長となり、志半ばにして入院を余儀なくされたオオヌキ。

毎日訪れる誕生日の朝、母からの贈り物の絵本を見つけ大喜びで読み上げるパコ、
そんなパコの頬を傲慢で我儘なオオヌキが誤解から叩いてしまうのだが、また新しい誕生日の朝を迎えたパコは、覚えているはずのないオオヌキの手に触れたとき、その感触を頬に覚えていて…。

絵本のなかのおとぎ話と物語が交錯していて、登場人物もおとぎ話のキャラクター達とCGも交えて行ったり来たり。
おとぎ話になぞらえたストーリーは何とも子ども染みているし、色彩もビビッド、映像も音楽も騒がしくてなんともとっ散らかった感じなのだけどどうにも毎回泣けて仕方ない。
…というよりはこの振り切ったシチュエーションだからこそいい歳した人間でもこの子どもに読んで聞かせるような物語を受け入れられるんだと思うけど。

傲慢で金持ちだけどどこか満たされない老人オオヌキ。
現実を受け入れられない青年とそんな青年に恋憧れる少女。
その他、なんとなく負け気味な登場人物たち。
そんな中で、両親を失ったことも分からずに人生最良の日を繰り返し繰り返し迎えるパコの無垢な姿がなんともいじらしくて、ありがちな物語なのかもしれないのに大好きで時々観てしまう。

お前が私を覚えてるってだけで腹がたつ…が口癖のオオヌキが絞り出すように呟く、私はこの子の心の中にいたいんだ…。
黄門様の印籠のごとき破壊力で毎度優しい気持ちにさせてくれる。

パコことアヤカ・ウィルソンちゃんを久しぶりにお芝居で鑑賞。
可愛かった少女がとってもキュートな大人の女の子になっててさらに感激。
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