もりいゆうた

タイガー 伝説のスパイのもりいゆうたのレビュー・感想・評価

タイガー 伝説のスパイ(2012年製作の映画)
4.3
そこそこ楽しめた!最近インド映画ばっかり見てる。伝説のスパイだからただのアクション映画かと思いきや、がっつりラブストーリー×アクション映画。インド版「007」

この映画を見てまず思ったのが、恋愛映画を盛り上げるためには「障害」が必要だよなってこと。

例えば、恋愛小説って『世界の中心で、愛を叫ぶ』以来、もう10年以上大ヒットがほぼ出ていないと言われていて。

それは昔と比べて、恋愛をする上での障害が無くなってしまったから。

『世界の中心で、愛を叫ぶ』だったら生死を分ける病気が障害ですが、

昔だったら「身分の差」とか、一世代前なら携帯も無かったから、会いたくてもなかなか会えないって状況になりえたんですよね。電話に出られなかったり、すれ違いで待ち合わせで会えなかったり。

今はもうそんなことまずないですからね。

そういった障害があった方が恋愛は燃え上がるんですよ。

ロミオとジュリエット的なね。見たことないけど。笑


そんな中、この「タイガー 伝説のスパイ」では、インドの完全無欠のスパイ"タイガー"とパキスタンの諜報員があろうことか恋に落ちてしまうんです。両者は完全に敵同士なのに。

一度は「自国を裏切れないから私を殺しなさい」とタイガーに迫るも、もちろん最後は自国の諜報局ではなく愛する人をとるわけですが、

この「会いたくても会えない関係性」が、二人の恋を燃え上がらせて、もちろん見る側もハラハラドキドキ。

世界を敵に回してでも、国ではなく愛するただ一人の女性を選ぶわけです。

もうこういう映画はなかなかお目にかかれないと思っていたら、インド映画で見れることになるとは。面白かった!


「天気の子」を思い出す。

「もう二度と晴れなくたっていい!青空よりも、俺は陽菜がいい!!天気なんて、狂ったままでいいんだ!!!」ってシーンね。

「世界よりも、たったひとりの大切な女の子を選ぶ」

そう思うと、見事な障害を描いていたんだなぁ。さすが新海監督(結局これ笑)