トカゲロウ

セデック・バレ 第一部 太陽旗のトカゲロウのレビュー・感想・評価

3.7
これは、もっと多くの日本人が観るべき映画ですね。
日本の台湾統治時代に起こった最大の反乱「霧社事件」を題材にした映画の前編です。

日本に友好的な台湾が統治時代の日本人をどう描写するのか?気になって鑑賞したのですが、そういう映画ではありませんでした。
台湾の原住民である首狩り族が巨大な文明と異文化に遭遇し、自分たちの誇りやアイデンティティーを模索するという普遍的なテーマに沿ったものです。
まず主人公からして、不意討ち上等!子どもでも俺に刃向かう奴は後ろから狙撃だぁー!という苛烈な人なので(笑)
日本人も常識的な人が異文化に悩みます。
こういった映画は(早く戦えよ!)と思ってしまいますが、今作は(止めて!みんな争わないでぇ!)と、どこかのヒロインの心境でした。

ただ、ラストの戦闘シーンは虐殺でしたね。そう思ってしまうのは、私が誇りを忘れた現代人だからかもしれませんが、主人公側に立たない監督の気概が込められているようにも感じました。
心なしか主人公の背中は寂しそうに見えました。

目を引くのは、大自然の画。個人的には日本と韓国が自然を情緒的に映すのが上手いと思っているんですが、この台湾の監督さんは日本・韓国とハリウッドの間のような画を撮るんですね。
ストーリー展開もハリウッドより軽くなく、韓国ほど重くないので飽きずに観られます。
ただ、残酷なシーンがあるので苦手な人は注意を。首狩り族だから。

それにしても、海外の映画に出てくる日本人役者さんって棒読みのイメージでしたが、この役者さんたちは演技が上手い!キム兄は駄目ですが。
後編借りに行かなきゃ。