こたつむり

ワイルド・スピード EURO MISSIONのこたつむりのレビュー・感想・評価

3.3
★ うっだらァァァァッ!

シリーズ6作目。
と長く続けば初期の雰囲気から変わってくるのも当然。しかも、シリーズ化される…ということは人気がある、ということですからね。期待を満たすようにすれば最大公約数を狙うのも当然…なのですが…。

んー。物足りなかったですなあ。
シリーズの大半を手掛けたジャスティン・リン監督ですからね。押さえるべきツボは押さえていると思いますよ。登場人物たちの魅力も熟知しているわけですし。

特にアクション場面は前作よりも豪華絢爛。
自動車VS戦車、自動車VS飛行機…って「何を言っているのだ、おまえ」と呆れたくなるほどに“ぶっ飛んだ”展開は正当な進化だと思いました。

でもねえ。
アクション場面で血沸き肉躍るのは、そこに至るまでに“想い”が熟成しているからこそ。「逃げる」「倒す」「捕まえる」などの行動の裏にある“想い”に寄り添うことが出来なければ、派手な場面に過ぎないのです。

また、本シリーズの特徴は思考不要であること。しかし、何も考えないことと空虚なことは同義ではなく。“考えなくても大丈夫”という安心感があるからこそ、無為に楽しむことが出来るのです。

ぶっちゃけた話。
本作に男女の三角関係なんていらんのです。
両手に花のハーレムで良いのです。器が大きな漢は独占できない…そのくらいスケールを大きくするべきであり、現実のモラルに縛られる必要なんてないのです。

だから、物語の辻褄を合わせようとする意識も。不要不要不要。破綻しても良いじゃないですか。気持ちが良い音楽、気持ちが良いスピード感。それこそが本作の源流だと思うのです。

まあ、そんなわけで。
普通のアクション映画(という表現は好きではないのですが)に収まってしまった本作。最大公約数を狙っているので、大概の場合は楽しめると思いますが、ズンズンズンッというリズムの単純なノリには…期待しない方が吉です。

…あと、どうでもいい話ですが。
冒頭の一文は『特攻の拓』ではなく『NON STOP!恭兵』から引用しました。…って本当にどうでもいい話。

To be continued… →→→ 
  『ワイルドスピードSKYMISSION』
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