Azuという名のブシェミ夫人

素敵な相棒〜フランクじいさんとロボットヘルパー〜のAzuという名のブシェミ夫人のレビュー・感想・評価

3.5
お話の舞台は『そう遠くない未来』
一人暮らしの偏屈なおじいさん、フランク。
痴呆の兆候が見られ、遠方から父親の元へ通っていた息子ハンターは、ついにロボットヘルパーをプレゼントする事に。
ロボットなんか・・・と文句を言いながらも、彼ら2人での生活が始まる。

舞台設定が近未来とは言っても、割と現代に近い生活をしており、物語には入り込みやすい。
偏屈じいさんと生真面目な(?)ロボットのやり取りが、可笑しくてホッコリさせられる。
人間だったら悪態つかれて、嫌になっちゃってヘルパーやめたくなっちゃうだろうけど、ロボットだから淡々とこなして、じいさんも拍子抜けしちゃう。

で、最初はコミカルな映画だと思っていたのに、なんだか段々と切なくなっていった。
ロボットには心が無い。
人間には心がある・・・でも、心ってなんだろうね?
心が無いなら、あのロボットヘルパーはただの機械なのか。
そんな風には思えなくなるのは、これまた私が人間だからなんだろう。
人間だって“心無い”と評価される人は沢山いて、それを決めるのはやっぱり人間で。
ボタン一つで記憶をリセットされちゃうロボットと、痴呆で記憶を失くしてしまう人間。
どちらの存在も大切に思う人からしたら、絶対に無意味なんかでは無い。
こういう知能が発達したロボットが出てくる映画を見ると、いつも堂々巡りの考えが頭を占領する。
そんなジレンマがある内は、下手げに人間らしいロボットを造るのはタブーの様に思えます。
でも老老介護が多くなりつつある現代には、こんなロボットが居てくれたら・・・とか思ってしまって。
勝手だよなぁ・・・。

色んなテーマを散りばめ過ぎて、回収しきれていない感は否めません。
でもロボット君が愛おしいので良し!