ガブXスカイウォーカー

サロゲートのガブXスカイウォーカーのレビュー・感想・評価

サロゲート(2009年製作の映画)
3.9
《あらすじ》
近未来。人間たちは自室にこもり、ロボット“サロゲート”を遠隔操作して生活していた。ある夜、カップルのサロゲートが奇妙な武器を持つ男に襲われる事件が起きる。カップルのサロゲートが破壊されると、接続していたオペレーターの人間達もが脳を破壊されて死亡した。サロゲートを介してオペレーターの人間を殺傷できる武器が存在する。FBI捜査官のトム・グリアー(ブルース・ウィリス)とジェニファー・ピータース(ラダ・ミッチェル)が捜査を進めることとなったが・・・・・。、


これはなかなかの良作。
アクシデントや犯罪によって危害を加えられても、サロゲート(ロボット)が破損するだけでオペレーター(遠隔操作している持ち主)には何の影響もないユートピア、と言う設定が素晴らしい。面白いのは、オペレーターたちはみんな若くて美しいサロゲートを使用しているところ。中には美女サロゲートのオペレーターが実はハゲデブのオッサンなんてこともある。このユートピアでは、みんな仮面をかぶっているのだ(どうやって子を増やしているのかは不明)。
FBI捜査官のトムも自分を若くしたデザインのサロゲートを使用していたが、破壊されてしまい、自分の足で捜査することになる。自室を出て、歩き回り、時には殴られて痛みを感じ、そして自分の目で見ることにより、今まで見えなかった物が見えてくる。巧みに散りばめられたピースが集約していく脚本は見事だ。クライマックスでは、ついにはトムは全世界のサロゲートを停止するかどうかの選択を迫られることとなる。つまり観客たちに、人間がサロゲートに頼り切った世界は正しいのかどうかをストレートに問いかけてもいるのだ。
恥ずかしながら、僕にはサロゲート社会のなにがいけないのかはよくわからなかった。そんなに人間と人間が直接、顔を合わせることは大事なことなのか? 人のぬくもりは必要なのか? 互いの素顔が見えなくても、サロゲート社会も一つの完成形だと思ったよ。まあ、たしかに部屋に引きこもっているのは健康に良くないけどね(笑)