まーしー

欲望のバージニアのまーしーのレビュー・感想・評価

欲望のバージニア(2012年製作の映画)
3.5
1930年代のアメリカ・バージニア州。
禁酒法が定められていた時代に、密造酒ビジネスで稼ぐ三兄弟が主人公。
中でも、ニヒルで才覚あふれる次男(トム・ハーディ)と、後先考えず感情で動く三男(シャイア・ラブーフ)が印象に残る。
違法ビジネスを行う身ながらも、つい三兄弟を応援したくなる描かれ方だった。

それもそのはず。密造酒を取り締まる行政官のガイ・ピアースが、絵に描いたようなイヤな奴だったから。
オールバックの髪型と冷酷無比な対応には、サイコパスな雰囲気すら漂う。
彼の嫌味な存在があるからこそ、主人公の三兄弟が善人のように映るのだろう。

ヒロインを演じたジェシカ・チャステインとミア・ワイコウスカの美しさも忘れてはならない。
美しい裸体を披露したジェシカと、透明感にあふれ処女性を感じさせるミア。
二人のヒロインの存在が、より三兄弟を男臭く映しているように思う。

敵と味方の区別、男性と女性の役割が明確で、非常に解りやすい構図。実話ベースながら、娯楽性ある脚色が加えられている。
ガンアクションやロマンスも適度に盛り込まれており、それなりに骨太な内容だった。
禁酒法時代の背景を知っていれば、より楽しめたかも。