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アンストッパブルのmatchypotterのレビュー・感想・評価

アンストッパブル(2010年製作の映画)
3.6
『アンストッパブル』、文字通り“暴走特急”の話。

ここまで、見た目通りの“暴走特急”1点突破の映画も久しぶりな気がする。
行き着く間もないノンストップなスピード感も堪らない。

本当に、本当に、ただただ人為的な適当な業務ミスにより無人のまま歯止めが効かずに暴走特急と化す貨物列車。

アメリカの貨物列車は長い。
いつも映画とかで長い長い貨物列車によって分断されて追手を巻いたりするのに使われるほど。

その貨物列車を「ブレーキは走りながら繋ぎますわ!」とか言って、「あれ?ポイントが変だからちょっと降りて変えるわ」となり、「あ、あぁ!、、、あぁぁぁ!」と。
元いた運転席に戻れなくなる運転手。

自分のキャリアと技能と運動神経を過信しすぎ。
このレベルはもはや「ミスしちゃいました」では収まらない。

この運転手をクビにするしないの責任問題以前に、彼はもう不注意というか、軽率というか。

彼の適当な仕事が1番の原因とはいえ、その後、暴走特急を止めようとする作戦の数々も適当。

前に新たに機関車を連結させて前から押し止める作戦、失敗。
上から兵士を送り込んで機関室に乗り込む作戦、失敗。彼がある意味一番可哀想。そんなの無謀すぎる。
簡単に降りられそうにないし、あなたが降りたところでどうするつもりかよ。

と、あれよあれよと毒物を積んだ長蛇の貨物船が市街地に、、、そして、急カーブに、、、。

それを止めるべく立ち上がる別の貨物を引いて別の目的地に行くはずだったデンゼルワシントンとクリスパイン。

このベテラン運転手デンゼルワシントン。
デンゼルワシントンの説得力っていったい何なんだろう。
彼がベテラン、先輩として後輩にあれこれ言うともうその彼の言動が全て正しく思える。

そこになんやかんやと新米でイキって反発するクリスパイン。

このベテランの経験値と説得力。
新米の無鉄砲さと若さ。
この2つがなし崩し的にチームとなり、“暴走特急”を後ろからくっついて引っ張って止める作戦。

この2人以外が本当に無力というか、邪魔というか、アホばかりというか。
挙げ句の果てに、脱線させようとしても脱線させることすらできない。

ヘラヘラした奴らが事の発端で、警察、消防、特殊部隊も役に立たないことであわや大惨事。
ただの一介の別の貨物の運転手と車掌が止めに入る。

ある意味それだけの話で、ある意味シチュエーション限定パニック。
壮大で、大掛かりで、ド派手ではあるけど、1本の線路の上で起きてる事で、実は閉鎖的。

閉じた空間、少ない人数と、1本の貨物列車。
これをパニック感を最大化し、主役2人でとんでもなくハラハラドキドキドラマチックに。

これが事実に基づいてるっていうんだから、アメリカ、スゴいな。
もう、いい加減な流れ作業をする運転手とか再発防止策、ちゃんとしてるんだろうな。

こんな感じでアメリカの電車が走ってるのかと思ったら怖くて乗れないわ。
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