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アンストッパブルのabeeのレビュー・感想・評価

アンストッパブル(2010年製作の映画)
4.2
トニー・スコット監督は個人的にほぼハズレなし。好きな監督TOP5に確実に入れたい監督。お兄ちゃんのリドリー・スコット監督より大好き。

来年には彼の代表作「トップ・ガン」の続編が公開されますが、トニー・スコットはもういないのです…あぁ…彼の作品が観たい‼︎

しかし、彼の作品を制覇しているわけでは無いのでこれから少しずつ見進めていこうと思います。

ということで、彼の遺作となった「アンストッパブル」を今回鑑賞。

人的ミスにより無人で暴走を始めた貨物列車。しかも貨車には大量の毒物が‼︎
鉄道会社、警察が協力し列車を止めるため練った作戦もことごとく失敗。
無傷で列車を止めることを諦め脱線させて力づくで止める決断を下したとき、側線で待機しているはずの他の列車が1台本線を走行していて…

これは騙されたと思って観るべき。めちゃくちゃ面白い‼︎

暴走する列車よろしく、ストーリー展開も超高速‼︎列車のスピードに乗ってハイテンポで進む。
これ大事‼︎
あと10分で衝突‼︎って言ってたのに変な人間ドラマ見せられて気づいたら30分から経ってるんですけど⁇みたいなのはよほど構成がうまくない限り勝手にこちらの脳ミソが減速します。
その点この作品の主役はあくまで暴走列車。彼のスピードに合わせて人間が動きます。

かといって、人間の方を疎かにはしません。古参の機関士を次々クビにし、若くて安く雇えるノンキャリの人間を次々採用する鉄道会社。この設定がストーリー上大きなスパイスになります。その日初めてコンビを組んだいち機関士と新米車掌が命がけで列車を止めるために奔走する理由とは⁇
暴走列車をメインに据えつつ、司令室とのやり取りの合間に2人の会話、行動の背景を漏れなく描きスピード感を維持したまま最後まで突っ走ります。

これ結構凄いと思います。
それは観てる側に簡単に想像させて登場人物たちの思いや考えを補完させるテクニック。演者と製作側が作品の方向性をバチっと一致させないとここまで見せれないんじゃないでしょうか?逆に説明不足だなんだっていってこういう部分が見えてこない映画というのは携わっている人たちの方向性が若干なりズレてるのかも知れませんね。

ということで、正直トニー・スコット作品の中ではかなり地味な作品だろうとは思います。
凄腕新人パイロットもスパイもバウンティ・ハンターも出てこない。メインは列車、いち機関士と新米車掌、会社役員、鉄道司令室、溶接工。しかもみんなめっっっちゃ普通の人。だからこそ事態収束のために奔走する2人の行動一つ一つにハラハラし、エンディングの盛り上がりは1人で鑑賞していたのに1人立ち上がりハイ・ファイブ‼︎‼︎

あぁぁあーー‼︎面白かった‼︎‼︎
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