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ブロンソンのrage30のレビュー・感想・評価

ブロンソン(2008年製作の映画)
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とにかく有名になる事に取り付かれた男が、ひたすら暴れまくる映画。

ニコラス・ウィンディング・レフン監督の初期代表作という事で、前々から見たかった作品だったのですが、何とも“変”な映画でしたね。
基本的に刑務所で暴れてるシーンばかりだし、途中で主人公が語りかけてきたり、劇場で小話を披露したりと、全編に渡って意味が分からないシーンが連発。
まぁ、後々に『オンリー・ゴッド』を作る人なんで、ある意味、彼らしいシュールな作風と言えるのかもしれませんが…。

また、本作に関しては、監督よりも主演のトム・ハーディの怪演ぶりに目を奪われました。
冒頭からフルチンで格闘するわ、薬で廃人にされるわ、ジョーカーばりの白塗りメイクでコメディアンになるわと、終始圧倒され続けます。
トムハの格好良さは認めていたものの、ここまで演技力のある人だとは知らなかったし、本作が現時点でのキャリアハイと言っても良いのではないでしょうか。

本当に変な映画なんで、どう形容していいのか難しいのですが、個人的に近いと思ったのは『時計じかけのオレンジ』。
実際、wikiによると“21世紀の「時計じかけのオレンジ」”なんて呼ばれてるらしいのですが、あの映画がそうであった様に、自由意志についての映画なんじゃないかなと。

誰にも縛られず、社会通念にも損得勘定にも縛られず、ただひたすらに自分のやりたい事をやり通す。
最も不自由な刑務所の中で、最も自由であろうとする男の物語です。



P.S.
ネットで見掛けた、この感想ブログが素晴らしかった。
http://onnnenman.hatenablog.com/entry/2017/12/23/171609
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