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ハーヴェイ・ミルクのRのレビュー・感想・評価

ハーヴェイ・ミルク(1984年製作の映画)
4.7
4回目見ました。やばい! これはめちゃめちゃ感動する! 1970年代後半にサンフランシスコで、初めてゲイであることを公言しながら市議会員に当選したハーヴェイミルクのドキュメンタリー。当時のリアルな映像と、ミルクに関わっていた人びとの証言から、ミルクがどんな人物であったかが明らかになっていくんだけど、まさに新時代の英雄像! ぱっと見はなよっとした人あたりのいい陽気なおじさん。だが、巧みに政治的戦略をたてながら、ゲイコミュニティーのみならず、アメリカに存在するあらゆるマイノリティを擁護、それぞれの問題に誠実に真面目に取り組んでいき、おかしいとか間違ってると思うことにはためらうことなく声をあげていく。だれひとり世界が変わるなんて夢にも思わなかった時代に、世界がどんどん変化していく。その様子にワクワクし、感動する前半。だが、革新には必ず保守からの攻撃が待っている…まさかの、あまりにもひどい…信じられないほどの悲しみで涙する中盤を経て、後半はシリアスでヘビーな問題提起で終わり。すばらしい構成の映画! いままで見たドキュメンタリーでいちばん胸が熱くなった! みんながミルクを語るときの表情のすばらしいこと! ほんとにミルクを愛してたんやなーというのがビリビリ伝わってくる。その分、悲しみも大きすぎるけど。これは、LGBTという存在がだんだんとスポットを浴び始めているのに、遅々として人々の意識や制度的改革が進まない日本に住むすべての人々が、いまだからこそ見るべき映画のひとつだと思う! 古い映画ではあるけど! ものすごく深くハートが揺さぶられますよ!
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