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SHORT PEACE ショート・ピースのNAOKIのレビュー・感想・評価

SHORT PEACE ショート・ピース(2013年製作の映画)
3.7
「ショートピース」
このタイトルは内容は全然違いますが…大友克洋の初めての自選短編集・単行本のタイトルなんです。

いつかはホントにこの短編集に入ってる話のアニメも観たいなぁ…


「九十九」(つくも)

昔「もったいない」という日本語にあたる英語はない…
「もったいない」というのは日本特有の素晴らしい考え方だと欧米で賞賛されている…という話が話題になりました。

「嘘だ」…とおれは思いました。

だってさ…ソフトクリーム買ってさ…ペロッと舐めたら根本から折れてクリームが全部…歩道にべちゃっ!
この時…欧米の人たちはなんて言うんだ?
「オーマイガ!モッタイネー!」って言うだろう?…その言葉がないなんて…

でもネットで調べてみるとホントに「無駄にする」とか「無駄にしないで」くらいしかないみたい…
確かにちょっとニュアンス違いますよね…

この「もったいない精神」を日本昔ばなし風に描いた「九十九」…
日本人から見るとちょっと説教臭い気もしますが、このオムニバスの中でこの「九十九」だけがアカデミー賞短編アニメ部門にノミネートされて話題になりました…どうやらアメリカ人はホントに「もったいない」を知らないらしい…

「火要鎮」
大友による江戸絵巻を動かし手書きで炎をどこまで表現出来るか?
キャッチーではないが大友が新しい表現に挑戦している…
やりたかったのは「バックドラフト」!

「GAMBO」
日本昔ばなしでおなじみの「鬼」って昔の日本人が初めて異人さん(外国人)を見たイメージが元になってるという説があります。
それが異人さんではなくエイリアンだったら?という話…
でもやりたかったのはシロクマ・マスクのプロレス!
泣かせます!

さて…ラスト「武器よさらば」
これがおれの一番のお気に入り

実はこの原作は大友克洋の短編の中でベストに入ってくるくらい好きなやつなんです。
その雰囲気を生かしたまま膨らませている本編…素晴らしいです…おれは何回観たかわからないくらい…
ガンダムでおなじみのカトキハジメ氏は大友イズムをバッチリ分かってらっしゃる…

ハードロック鳴らしながら荒野を行く装甲車両から始まり、ラストまでパワードスーツやドローンを駆使したその戦略に酔いしれました。
5人の未来兵士のキャラも見事に描き分けていて15分くらいの短編とは思えない濃密さだ。

四人が地下に入っていくとき…
新人のマールとラム…
「こんばんわ…東京ローズです」
「おめえのネタは分かりづれーよ」

もうこのセンスたまりません。
第二次世界大戦時アメリカが日本兵の士気を奪うために流したラジオ放送…その日本人女性のアナウンサーは「東京ローズ」と呼ばれた…

その真似をしてるわけだけど…
SFにこのネタは分かりづれーよ!
最高です。

「強制ディスチャージ!」
これもヒーローの必殺技みたいで言いたくなります😸💦
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